夜にひしぐは神おろし

お芝居とか映画とか好きなものの話を諸々。自分のためのささやかな記録。

『両国花錦闘士』明治座マイ楽を終えてのまとめ(ネタバレありで照明と演出のメモをまとめるよ)

【前回までのあらすじ】

両国花錦闘士の明治座初日に行ったあと、おめでとうしか言ってないのでは? というブログを書きました。おめでとうの気持ちは今も変わらないよ。

yahishigi.hatenablog.jp

冷静に読み返すとちょっと何言ってるかわかんないですね。いいと思う。そういうブログがあったっていいじゃない。こまけぇこたぁいいから景気よく行こうよ。

そんなこんながあり、明治座観劇をおかわりしました。いやホント、しみじみよかった。トンチキとか言ってる人誰ですか? 解釈違いじゃないですか? こんなにも心が熱くなるお話を観て、トンチキとか称するのおかしくないですか? 本当に反省しています。

カロリーの高いつぶやきやブログを繰り出している様々なオタクたちが、観劇2回目からようやく人間の言葉みたいなものを話しはじめたのを多数観測したんですけど、私も例外ではなくてね。おかわりをして、ようやくなんかそれっぽいことを話せるようになった気がする。それっぽいって何か知らんけど。

というわけで、明治座おかわりを経てからのライブビューイングに行ってきたんですよね。ライビュ堪能済の私になりました。おめでとう、アップデートおめでとう。本当なら何度でも記憶を消去して大いなる祝祭をクリアインストールしたいけど、アップデートすることしかできないのが人間の肉体の限界。とぅらい。21世紀にもなってそんなのとぅらい。

しかも個人的な事情により、明治座の両国花錦闘士を観られるのは今回のライビュが最後になっちゃうのです。明治座ちゃん名残惜しいよ名残惜しいよの気持ちと映像で観られる興奮とで、まぁ情緒不安定でしたよね。でもすごいよくて〜〜〜〜ライビュすごいよくて〜〜〜〜。

劇場内のお客さんの空気もあったまってて最高だったし、ライビュのカメラワークもおおむね満足だったしで、ほこほこしながら帰ってきたんですけど、でもどうしても一点だけ残念なシーンがあって、もしもあれが映像に残らない可能性があるというのなら、それは損失だ! 書き残して後世へ伝えねば… というお気持ちになりました。なので、これを書いています。

それともうひとつ、自分のための記録を残しておきたい動機があって。とにかく照明が好きなんですよね。今回照明スタッフを担当されている原田保さんの照明デザインが大好きなんです。お芝居的にはノーマークだったのになぜか狂って帰ってきちゃって、何が起こってるかわかんないな〜みたいなとき、だいたい照明スタッフの欄に原田さんの名前がある。これはもうしょうがない。

お芝居が好きな人は、みんなそれぞれ音楽に弱いとか衣装に弱いとか、いろいろあるじゃないですか、個人的なツボみたいなもの。私の場合、光刺激なんですよね。光刺激でおかしくなるタイプのオタクなので、すごい光にやられがち。私の光受容体にズッギュン衝突した光が電気エネルギーに変わり、ぎゅるんと第一次視覚野に届いたときには、もう完全にダメになっているよね、私がね。速いから… 光はとっても速いから… 。

例えDVDやBlu-rayになったとしても、光は閉じ込められないし持って帰れないんだよなぁ。光を浴びたときの高揚、脳がしびれるみたいな感覚、肌に感じる熱量みたいなもの。あれらのものたちが欲しい。だからまた浴びに行ってしまう。現地の光を浴びたくて。

何度でも私の脳を突き刺す光を作ってくれる原田さんの照明職人としての仕事が本当に大好きで、両国花錦闘士のライティングで好きだったことをメモしておきたいなって思ったんです。専門用語とかは全然わからなくて、観た感じと自分の語彙だけでメモしてる内容なので、おかしなこと言ってるかもしれないですけど、そこは大目に見てね。(これはこうだよ! って教えてくれる有識者のおともだちがいたら、マシュマロなどでのコメントいつでも歓迎です)

というわけで、このブログは演出&照明に関して、私が好きだなぁって感じたところをメモしておくためのやつです。普通にネタバレあり!

前置きが長くてびっくりしちゃった。いい加減にしてほしいよね。わかる。しかもここから先も誰得情報? っていう話かつ理解しづらい表現が続くよ。自己満足で書いているので自分にしか優しくなくてごめんね。じゃ、本題。

一幕冒頭の立ち合い前のシーン

一幕冒頭の立ち合い前のシーンでは昇龍が上手、雪乃童が下手でお互いをディスる心理描写が入る。あそこ、昇龍が話してるターンでは上手手前袖のサイドスポットからは青、下手手前袖のサイドスポットからは赤のライトが出てて、雪乃童の足元にも青い円が落ちてる。雪乃童が話すターンになると、左右の色が入れ替わる。

この青と赤の使い方がめちゃくちゃよくて、いきなり脳がジュッ!って音を立てるんだよね… そんなしょっぱなから焼かないでよ… って思っちゃうくらい。たとえば新感線の舞台なんかだとシアンとマゼンタの組み合わせをよく見るんだけど、この舞台ではザ・赤とザ・青。それで実直な感じとエキセントリックな感じ、両方出るんだね。照明、わからなすぎて奥深い。

ちょっと脱線するけど、シアンとマゼンタで最高オブ最高の景色を見せてくれたのは、新感線の『メタルマクベス』だよね…。どこのシーンかはここでは控えるけど、脳汁出るシーンがあるんですよね…。照明すごくて気になったって人は、ぜひメタマク観てみるといいよ。特にDisc2には原くん櫻子ちゃん徳ちゃんしんぺーさん南さんが出てるので…!

話を戻して、12/12ソワレのこのシーンではね、そのあと仕切りに入るとき、紙吹雪の紙みたいなのがひらひら1枚だけ落ちてきて行司役の南さんの前を通り過ぎていったの。あれが演出だったと言われても驚かない自然さで。そのときの構図の美しさが網膜に焼き付いてるんだ… ハプニングって、どんな小さなものでも人の心を動かしてくれちゃうよね…。

オープニング Naked Men のダンスシーン

初日にかなり前のほうの席に座っていたんだけど、ステージの面の手前に反射鏡が配置してあるのを見て、もう絶対にダメじゃんって覚悟したんだよね。鏡の反射を使ってレーザービームみたいな光を作るの、うますぎるんですよ。神なんですよ。みん! みん! って突き刺してくるんですよ、反射した光が。

特に新感線の『偽義経冥界歌』の反射ビームは強烈だったよね。おしゃりきの中でも偽義経を彷彿とさせるシーンあったよねぇ〜〜〜〜自縄自縛! 自縄自縛! 心の葛藤を光で表現するのがうますぎるぅ〜〜〜〜〜!!!

話が逸れたので戻しますけど、オープニングでもさっそくみんみん来ましたよね。紫・黄色・オレンジのライトがカクテルみたいに入れ替わりながら点滅しつつみんみんですよ。みんみんレーザーですよ。観てない人に絶対伝わる気がしないけど気にしないよね。私の頭の中に残るみんみんレーザーの映像を少しでも長く保つために必要なんですよこの記述は。

初見時のオープニングが終わった時点で千穐楽のカテコが終わった時相当の満足度だったので、狂い方の初速がとにかくおかしいんだよな。しょうがない。しょうがないよね。だってカクテルレーザーみんみん突き刺されながら、肌色の人間たちが歌って踊ってるのを浴びてるんだよ? トランスだよね。宗教ですよ。トゥーマッチネイキッドメン+女神たちによるプリミティブな祝祭。

CLUB 1990 での梅太郎のダンスシーン

このシーンさぁ! 1階席で観てると意味のわからないピカチュウショックみたいな衝撃がビリビリビリビリビリ! ってきちゃって、ナニモワカラナイ状態にさぁ! なっちゃうんだよなぁ! で、2階で観たらこんな精細にライトコントロールしてたんだ!!! ってなって感動した。

舞台中央のサスペンションライトっていうのかな? そこから細いライトがビシビシ明滅してんの。赤いライトがメインなんだけど、そこに白のライトが何本もビシビシビシビシ明滅してて、結局脳が焼き切れてぎゅえ〜ってなる。黄色も混じってたような気もするんだけど、脳がやられすぎて記憶が曖昧なので確かじゃない。なんなら混じってたんじゃないのって感じ(急に投げやり)。

ライビュだとライティングのピュアな魅力を感じるのが難しいシーンでもあるんだけど、そのぶん皇希くん演じる梅太郎のダンス技術と本物の煽り顔が寄りで抜いてもらえて、セクシー梅太郎を存分に堪能できましたよね… 梅太郎、積極的にお見合いしたい。ライビュ映像でのこのシーンは梅太郎の魅力を引き出しまくってた。

いや〜〜〜ホントこのシーンで声出せないのマジしんどい… 出ちゃうよ… 了くんDJがコールしてきたらナチュラルにレスポンスしちゃうじゃんよぉ! クラブのシーンを観てるっていうより、もはや明治座がクラブだもの、ヒューッ!って無意識に言いそうになっちゃうじゃんよぉ! それを我慢するの、けっこう大変でした。我慢したよ。えらい。

桜子とアイーダのシーン

ねぇ… アイーダ前に桜子が語るシーンさぁ… ピンスポ絞られたあとのシーンのことなんだけどね、舞台の面っていうか縁っていうか、客席に近い手前のところね、あそこに横一直線のラインを引くみたいに青いライトに照らされるの… あれはなになの… めちゃくちゃなになの… 舞台の縁だけに走る青いライン、2階から観るとまるで青い龍みたいじゃん… なになの… なになのかな… 桜子ったらいったいなになの???

アイーダがはじまると、背景だけじゃなくて床にもステンドグラスの図像が落ちるんだよね。桜子が立っている位置を中心に、ステンドグラスの丸い図像そのままに丸く落ちるの。力士が出てきた時点で同じ丸い模様が床全面にリピートされてくるくる回るの。

私西洋美術に詳しくないので、全然見当違いだったらごめんなんだけど、ここで使われてるステンドグラスのモチーフってサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の「キリストの降臨」なんじゃないかな? って思っていて、これはマジで有識者の情報が欲しいところよ…。

須藤王の Shadow リサイタルのシーン

須藤王の金色のガウンと裏地の赤がめちゃくちゃかっこよすぎて、その時点で情緒が飽和状態なんだけど、ここのライトは丸いライトが6連になってイモムシみたいな形の光なの、で、それがくるくる回るの。色は最初オレンジからはじまって、後の方でいろいろな色に変わる。

このシーンは徳ちゃんの歌声のほうに気を取られているので、わりと記憶が音に寄っているな。そういうシーンもあるねぇ。うん、ある。

桜子が「私のための男たち」を歌うシーン

もうここの照明がさぁ! 徹頭徹尾桜子! って感じでさぁ! めそ… めそ… 最高すぎてうまく説明できる気がしないんだよね… どぅん、どぅん、どぅん、どぅん、って鼓動みたいなビートがはじまるじゃないですか、そのビートに合わせて上手下手手前袖のサイドスポットが赤・青・赤・青って交互に切り替わる、つまり左右からどぅん、どぅん、どぅん、どぅん、って赤と青が来るわけよ。

スクリーンと桜子が立つ床には、単色の実相寺昭雄みたいなマーブリング模様がうねうね蠢きながら投影されるね。純ケツが出てくるところでは上からピンク寄りの紫で照らされて、桜子のキャラと純ケツのキャラがそれぞれ光の色で表現され分けてるのがめちゃくちゃいい。

終盤、歌詞「殺し尽くしたいみんな」のフレーズから、赤と青だったサイドスポットが赤と緑に変わるのね。桜子と綾小路が上手側に移動して2人で踊るところでは、上手手前袖のサイドスポットは消えてるか色がなくなってるかしてて、下手手前袖のサイドスポットが上下2段になる。色は赤緑で、点滅速度がこれまでの倍になるの〜〜〜!!! どぅん、どぅん、どぅん、どぅん、がどぅんどぅんどぅんどぅんどぅんどぅんどぅんどぅんになるの!!!(伝われ?)

歌詞が「My men my men...」になるところで赤と青の反射レーザーが入れ替わり点滅しながらみんみん飛ぶやつに切り替わるのもぴえーんだよ。ちなみにレーザーの速度は元のビートの速度に戻るよ。

「Spring Storm!」のシーン

私 Spring Storm! が大好きで、これを歌う淳子いや櫻子ちゃんが大好きすぎてさぁ、この歌のMV作ってほしいんだよね… 「春は荒れる」のところの手の振りとか反則級のかわいさで… うっ、うっうっ。

このシーンでは舞台手前に大きめの丸いライトがたくさん落ちてくるんだよね。ピンク・黄色・白の3色で点滅する感じっていうか。土俵は黄色で照らされたりしてる。うまく説明できないから、自分の脳に電極刺して記憶を壁に投影したいよ…。

なんにしても、櫻子ちゃんの歌がつよつよすぎて、しゃくらこ! つよつよ! きゃわわ!! しゃくらこ! ! ってなってしまって、なんかもうそれに尽きますね。しゃくらこがかわいい。他に何が要るものか。

一幕ラスト、昇龍と桜子のベッドシーン

このシーンでもアイーダのシーンと同じようにステンドグラスの図像が背景と床に投影されるんだけど、アイーダのシーンと同じ図像ではなくて、聖堂ひとつぶんみたいな大きなステンドグラスなんだよね。力士たちがベッドを回し始めるあたりで、床に投影された図像が分割されて各々がくるくる回りはじめる。青くて小さなサスペンションライトがベッドを囲むように複数落とされてる。

これも詳しくないから違ったらごめんなんだけど、このシーンのステンドグラスのモチーフって、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の中央礼拝堂にあるやつなんじゃないかな〜。違うかな〜。有識者のご意見、切に切に求む。

幕間の名画たち

幕間にずっと席を外していた人は見逃してるかもしれないけど、この時間もちゃんとネタが展開されてたんだよね〜〜〜。ネタが何かっていうと、岡野玲子先生によって描かれ、単行本にも収録されている絵画のパロディー。何か見逃してたらごめんだけど、私が確認できた限りではドミニク・アングル「トルコ風呂」ラファエロ・サンティ「アテネの学堂」エドワード・バーン=ジョーンズ「黄金の階段」ピーテル・パウル・ルーベンス「マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸」の順で投影されてたと思う。

このイラストのクリアファイル作ってほしかったよね… 後出しでもいいし再演のときでもいいので、作ってくれるといいな…。ちなみに「幕間のそんな演出見逃しちゃったよ!!」という人は、岡野先生の原作本を買うと、先生の描いたそのイラストが見られるよ! Kindle版もあるから、Kindle派の人にも優しいね!

ライビュで笑っちゃったのは、「マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸」パロディーで描かれてる桜子・影浦・綾小路・昇龍にぐぐぐっとズームしたところですね。アピールポイントなのでめっちゃわかるけど、わかるけどおもしろくて笑ってしまった。

夜乃海と月乃浜がカレー食べ放題で会うシーン

2人が話してるシーンで床にくるくる落ちる色がレインボーカラーなんだよぉ。あのふたりかわいいよぉ。仲良くなれるといいねぇ。食べ放題会場からは以上です。

トシアキと影浦の誘拐事件シーン

このシーンで桜子の座ってるピーコックチェアの床に、なんか図像が投影されてるんですよね。後で出てくる影浦が磔にされるシーンでの足元にも同じ図像が投影されているよ。

しつこいようだけど私は西洋の宗教画におけるアトリビュートに全然詳しくないから、学生時代に西洋美術史ちゃんとがんばっておけばよかった〜無力でごめん〜って歯ぎしりしてるんだけど、私の拙い知識で辿り着いたのはヨハネの福音書なんだよね。

なんでそう思ったかっていうと、ヨハネの福音書10章には良い羊飼いのイエスっていう概念が出てくるじゃないですか、それを図像化したものなんじゃないかな〜っていうのが私の見立てなんですよね。仔羊を抱いて羊飼いの杖を持った男が中央に描かれていて、男の足元にも仔羊がいる。男の左右には十字架のモチーフが。シンボルを読み解く限り、それは間違ってないんじゃないかなとは思う。

ただ、なんで羊飼いのイエスよ? っていう解釈については、わかるようなわかんないようなって感じで。引き続き有識者の情報求む。

もし一幕のアイーダのシーンでの図像がサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の「キリストの降臨」由来だとしたら、桜子がキリストであり宗教の中心にいるっていうアレなのかなぁという月並みな解釈しかできない。知識が浅すぎてとぅらい。浅い知識のご都合主義っぽすぎて恥ずかしいので、有識者がなんかいい感じの情報をくれることをひたすら待ちますね…。

あとさ、あとさ、もし一幕最後のシーンがサンタ・マリア・ノヴェッラ教会だとしたら、マリアとサン・ジョバンニの物語が関わってくるわけで、そうすると桜子と昇龍がキリストの母マリアとキリストに洗礼を施したサン・ジョバンニになぞらえられちゃう的なアレがアレしてなになの??? ちなみにサンタ・マリア・ノヴェッラ教会にはキリスト教派と異教の対抗を表した絵画なんかもあるらしいので、桜子と昇龍ふたつの宗教が交わる感じとかも想起しちゃうよね…。

あとなんかどのシーンだか忘れたからここについでに書いちゃうけど、桜子がカルメン口ずさんでるシーンあるじゃないですか、あそこもいいよね。だってカルメンって周りの男を翻弄してグッダグダになって最終的に殺されちゃう話でしょ。それをいかにも軽やかに楽しんじゃいそうな桜子の空気感が出てて、めちゃくちゃ好き。

はぁ、オタクって事実かどうかもわからん解釈と妄想に忙しいわね。いい加減にしたほうがいいわよ。おのれの浅薄さに反省はするわよ。さーせんした。

雪乃童と昇龍が五月場所の意気込みを歌うシーン

あのシーンの雪ちゃんめちゃくちゃ好きで、かっこいいしきゃわわだしファンサ欲しいしで大忙しだよね。雪ちゃんが歌ってるときには、雪みたいな白いフレーク状の照明が床に落ちるんだよね〜。あれめっちゃ好き〜〜〜〜。歌い手が昇龍に変わると色が青くなって、なんとなくウロコみたいに見えるのが青龍っぽくてよき。よきよき。

桜子が「男は女のために」を歌うシーン

ピンクに近い紫のライトに照らされて力士たちが登場、ピンクに近い紫と青寄りの紫がふわっふわっと入れ替わる。もう最高すぎない? ヘイヘイだよヘイヘイ。ヘイヘイオールザメン。そのあと手前が紫のまま、奥が桜子の洋服と同じグリーンに照らされて、そのあとフラッグパフォーマンスがはじまるんだよね〜〜〜フラッグパフォーマンスの話をさ! しようよね!!!

フラッグパフォーマンスのシーン

これは冒頭で「どうしても一点だけ残念なシーンがあって、もしもあれが映像に残らない可能性があるというのなら、それは損失だ!」と言ったシーンにつながっていくやつです。

「男は女のために」の歌を彩るメンズのパフォーマンスが楽しいのはもちろんなんだけど、紫のフラッグの中に青・黒・白・赤がひとつずつ混ざってて、パフォーマンスの最後に下手手前青、上手手前黒、上手奥白、下手奥赤の位置取りになっていくんですよ。つまり紫色の水引幕と四神に護られた聖域である土俵を抽象的に形作ってゆくわけですよ。フラッグ配置の頭上に吊り物のセットが降りてきて、フラッグで表現された概念が本物の吊屋根に入れ替わっていくんですよ… 震えちゃわないですか? そのときの光景、全景で観たくないですか?

吊屋根? 水引幕? ってなった人はこれ見たりググったりしてみるといいと思います。

ライビュでは吊屋根セットの動きが捉えられてなくて、別のところにズームされてたから、櫻子ちゃん演じる淳子が奥から登場するのと吊屋根が降りてくるのとをひとつの流れとして観れなかったんですよね。あそこ本当に神々しくて、明らかに場の空気が変わってラストの取り組みに続いてゆく鳥肌モノのシーンなので、それが伝わらないのがめちゃくちゃにもったいなさすぎて!!! もったいなさすぎて!!! うわあああん!!!!!

フラッグパフォーマンスが聖域に変わっていくまでの過程が、演出が、めちゃくちゃ好きで気が狂いそうなので、ここはどうしても場の転換の全景を観てほしいんだよね…きっとなんらかのコンテンツになるときは別バージョンの映像を使って、あのシーンの神々しさを保存してくれるって信じたい。これから生で観られる人はできれば生で目撃してほしいし、もしDVDなどのメディアに場の転換全景が入ってなかったとしても、絶対に後世に語り継ぎたいので書き残した次第です。

四隅の四神の房の色、ちょっと見づらいかもしれないけど、フラッグの同じ色の位置とちゃんと同じところに下がってるからすぐわかるよ。ちなみに青龍カラーの青い旗は入江甚儀さん演じる大きいほうの徹兄さん、玄武カラーの黒い旗は木村了くん演じる清史兄さん、白虎カラーの白い旗は南誉士広さん演じる代官山横綱、朱雀カラーの赤い旗は松田拓磨さん演じる鷲毛勝関が持ってた。目で追うときの参考にしてみてくださいな。

エンディング

エンディングは感極まってるんで大したこと覚えてないんだけど、とにかくみんなが素敵すぎてさ… 美沙子さんも歌ってくれるっていうのが最高で…(最初の頃オクターブ上で歌おうとしてしんどそうだったけど、今は下げて歌ってるね)。

あとはフォーメーションだよね。群舞としての美しさみたいなものと、個々がわちゃわちゃやってる賑やかさみたいなものがバランスよくごった煮になって、そこで揉まれて最高潮に達した熱量がカテコで登場する原嘉孝一箇所に集められていく。エネルギーの流れがそのまま目に見えるような、とんでもない儀式のような… しゅごい… しゅごいよね…。

ハイパフォーマンスな宗教行事と言っても過言ではないエンディングのせいで、トーキョーシティの運気の流れが変わっちゃってんじゃないかと思うよね。トーキョーシティの風水ぶち抜く勢いのエネルギーを浴びて、私いっつも泣いちゃう… 感動とかそういうのとはなんかちょっと違って、もっと肉体的な反応な気がする。未開の部族が太鼓を打ち鳴らしながらトランス状態に入るのと同じ反応なのかもしれないですね。

溢れる光の中でネイキッドな人間たちが大きな声で歌っている。それに手拍子で応える。そのエネルギーに触れてるだけで涙が出ちゃう。めっちゃプリミティブ。ライオンキングより獣感ある。神々しい獣たちによる大型神事2020ジャパン。絶対来年いい年になるわ。

まだまだ言い足りないけど、このへんで

なんぼでもわーわー言えることあるんだけど、このブログはこれでそろそろ終わりにしようと思います。また観る機会があったらいいなぁ。これで終わりはさみしいなぁ。もっと観たいなぁ。はぁ、とぅらい。アクチュアリィとぅらい。

サブスクリプションサービスなどで配信されてる閣下の「Naked Men 見ろ、裸の俺たちを!」を聴きながら掃除機をかけると、吸引力が5倍になるよね。閣下の Naked Men 聴きながら通販で届いた日用品の段ボールを開けると、在庫が5倍になるよね。そのくらいの勢いで毎日が潤っています。

激動の2020年の終わり際に、大きな喜びをくれてありがとう。両国花錦闘士と出会えて、本当に幸せ。どうか最後までカンパニーのみなさんが無事に駆け抜けられますように。たとえ現地に行けなくても、心は声援を送っているよ。