夜にひしぐは神おろし

お芝居とか映画とか好きなものの話を諸々。自分のためのささやかな記録。

『偽義経冥界歌』フェスティバルホール、初日

こんなに早くこの日が来ると思わなかったけれど、気が付いたら劇団☆新感線の39興行・春公演『偽義経冥界歌』の初日が来ていました。月日が経つのはあっという間ですね。ついこないだまでステアラで回ってたよね?

結論から言うと、とにかくみんな観てってことなんですけどね。めちゃくちゃいろんな人に観てほしいと思ってるんですよ。もはやそれ以上の言葉が出てこなくて…。

これから来年まで巡業する39興行、まだ行くかどうか迷っている人がいたら是非オススメしたいな〜。そしてまだこの公演の存在を知らない人にもオススメしたいな〜。

オススメになるような話は今はまだ全然書けそうにないけれど、とにかく観劇記録だけは寝る前に残しておきたい。語れる全然言葉が出てこない中、なんとかここまでひねり書いてます。

『偽義経冥界歌』って、ざっくり、こんなお芝居

劇団☆新感線は去年一昨年とずっとIHIステージアラウンド東京でロングラン公演を行っていたため、本公演的な感じの興行は久しぶり。そのため、新感線ファンにとってはステアラ奉公の年季明け… みたいな気分もあるわけです。

座付き作家の中島かずき先生の完全新作というのも話題のひとつ。

2016年の『乱鶯』以来のいのうえ歌舞伎の新作で、劇団の座付き作家・中島かずきによるゼロベースからの完全新作は2014年の『蒼の乱』以来ということになります。

(中略)

また、いのうえひでのりにとっては、この2年の経験と出会いの数々からいただいた刺激を財産とし、改めていのうえ歌舞伎に向き合うことで時代劇でできることの新たな可能性を探っていきます。

偽義経冥界歌|にせよしつねめいかいにうたう公式

お話のモチーフは“奥州三代”と“義経黄金伝説”。義経は比較的有名で人気のある歴史上の登場人物ですから、そのあたりがなんとなく頭に入っていれば、細かいことや難しいことは知らなくても普通に楽しめる内容です。

義経が実際に奥州に匿われていたという史実をスタートラインに、奥州三代の盛衰の行方も絡めつつ、中島脚本ならではのファンタジーも散りばめつつ、歴史ミステリー好きの心をもくすぐるアッと驚く展開が繰り広げられます。

偽義経冥界歌|にせよしつねめいかいにうたう公式

ホント、いいお話だった…

後味の悪いお話ややりきれない暗いお話が好きな私が言うのもなんなんですけど、とっても気持ちのよい物語なんですよ、偽義経。

生田斗真くん演じる主人公が本当に素直でおバカでかわいくて、観客である我々は主人公が成長する姿を思いもよらない角度から見ることになる。

人間の業を描かせたら、そのドロドロみには定評がある中島かずき先生だけど、中島先生の集大成と言いたくなるような、雑味のないクリアなお話なんですよ。

でもさ! これ以上のことを書いたらさ! ネタバレしてしまうから! でもじゃあ何を書けばいいの! わからない!

もうホント、このつぶやきに尽きるんですよ…。無力だ…。誰かにオススメするための言葉もひねり出せないなんて…。

キャラデザも最高… 役者さんも最高…

もう、物語について語るのはあきらめて、ビジュアルや決め台詞、立ち姿など全部含めて、いのうえ歌舞伎としての魅力がたくさん詰まってるよっていう話をしたい。

偽義経はですね、キャラクターデザインとビジュアルのエモさがやばい。新感線のキャラってとっても漫画的なのに、そのわりに全然2次元的じゃないというか、量的にも質的にも血の通った存在感がある。当て書きをしているから、そう感じるのかな。

どのキャラクターにもそのキャラなりの見せ場があって、役者さんにそのキャラがしっかり乗っかってる。だから、キャラがいいから好きなのか、役者さんがいいから好きなのか、それが曖昧になってくるんですよね。

ぬぬぬぬぬぬぬ、役者さんひとりひとりについて書き出したいところだけど、ボリュームが増えて書いてるうちに朝になってしまいそうなので、それは別途書くことにします。今日は観劇した記録だけ… 記録だけ…

あっでもこれだけは書かせて。現時点での私の偽義経MVPは海尊という法師役の山内圭哉さんです。前半は全体のストーリーをわかりやすく提示してくれるキーパーソンになる役で、その演じかたや居ずまいがニュートラルでいい。法師としてのビジュアルも男前すぎて惚れる。

そしてキャラとして完璧に好きすぎて立ち直れないくらいなのが、橋本さとしさん演じる奥華秀衡。何が強いってビジュアルが強い…。特に2幕以降が最高すぎて… 2幕以降で彼が率いる某軍団も最高で…。はぁ… 好き…。

なんにしても、ちゃんと言葉にできるようになってから出直してきます。もしくはネタバレ上等の記事として書きます。

こんなにエモい初日にお知らせ出すのずるい

それにしてもですね、今日は偽義経の初日だっていうのにですね、次の夏公演『けむりの軍団』のお知らせをぶつけてきたんですよね、新感線ちゃん。

これには情緒が追い付かない。偽義経への思いも持て余しているのに、どうしろっていうの? そのまま会場で最速先行チケット売ってくれればよかったんじゃない?

しかも今日って『髑髏城の七人 Season花』のゲキシネ初日なんですよ? 信じられます? 情報も情緒も過多すぎて泡吹くしかない。実際吹いてる、若干。

はーーーーーーーーーー。現場からは以上です。感想っていうか、結局何も言えてませんよね。はい、わかってます。落ち着いたらまた書くもんね!(たぶん)