夜にひしぐは神おろし

お芝居とか映画とか好きなものの話を諸々。自分のためのささやかな記録。

『メタルマクベス Disc1』 IHIステージアラウンド東京、初日

『メタルマクベス Disc1』通称「メタマク」で知られる公演の初日に行ってきました。ネタバレしない程度の観劇記録を残しておきます。

5月までは『髑髏城の七人』というお芝居を回していたIHIステージアラウンド東京。回す、というのは比喩でもなんでもなく、客席が360度回転する新劇場なのです。2017年の3月に『髑髏城の七人 Season花』でこけら落とし、それから2018年の5月まで、髑髏城シリーズ花鳥風月極と回ってきて、はじめて違う演目に切り替わったのがメタマクでした。

ステアラで食べられるアイス最中

ステアラ名物アイス最中も、メタマクDisc1限定味にリニューアル。今日はチョコミント味をいただきました。暑くて、受け取ったそばから溶けちゃう…。

メタマクDisc1って、ざっくり、こんなお芝居

シェイクスピアの『マクベス』の世界観は変えずに、2206年の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換えるという大胆なアレンジによって創り上げられた脚本は、近未来と過去を行き来しながら劇中をかき乱し、ゆるい台詞に油断している間に核心に引き込まれるという宮藤官九郎独特のうねりを、ハードロックとヘヴィメタルの楽曲で煽りまくり、怒涛のごとく突き進む物語は客席を圧倒し、前代未聞のシェイクスピア作品として大きな話題となった。

この『メタルマクベス』が、初演から12年の時を経て、激しいリズムに突き上げられて瓦礫の中から復活する。宮藤自ら脚本を書き直し、キャストを変え、演出にアレンジを加えて、disc1、disc2、disc3と題して3作を連続上演。

公演内容:メタルマクベス disc1|TBSテレビ:IHI STAGE AROUND TOKYO 

内容やあらすじをちゃんと知りたい人は、公式サイトの方へどうぞ。

ざっくり感想

実は私、内野聖陽さん&松たか子さんの初演がものすごい好きで、初演が好きすぎるがために今回のアレンジを愛せるか不安… と思っていたのでした。

…が、杞憂でした。

メタマクよかったーーー!!

メタマクよかったーーーー!!!

うわーーーマジで期待以上だったよぉ最高だったよぉ!!

メタルマクベス disc1 大好きでーーーーす!!!

とにかくすごかったのが、セットと演出。ステアラのポテンシャルを活かしきったうえで、しかも弱点を補ってさえいる。場面の切り替えが計算し尽くされたセットの配置、高さを出した縦移動のある動線から生まれる芝居空間の立体感、追加のスピーカーを仕込むことによる音響の弱点補強。

その結果、スクリーンをフルに使った効果に没入させられたし、傾斜の少ない座席からでも見やすい目線の高さで芝居をしてくれてたし、舞台と距離のある後列でも全体観を楽しむという満足度が得られるし、確実に知見を盛り込んできている感がすごい。

花からずっと通っているファンだからこそわかるメタマクセットのすごさ、というのがあるけれど、これからはじめてステアラでお芝居を観ますっていう人は、そんなことは考えずにただ楽しんでほしいなって思う。ただ、本当にすごくなったよね…? という気持ちを、回る城に通い続けた戦友たちとは分かち合いたいなって思うのです。いやー、超えてきたね。すごいね。

キャストもすばらしくて、橋本さとしさんのランダムスター、あんなに好みなビジュアルだったなんて思ってなかったという反省点があります。っていうか、写真を観ても全然ピンと来てなかったっていうか… そんなだったのに、動くランダムスターを観たら、めちゃくちゃ好きだった… 。

あと、グレコというキャラがすごく好きなんですけど、今回は山口馬木也さんが演じてます。馬木也さんがかなり好きなので、もともと楽しみにはしていたんですけど、正直、山口馬木也さんのグレコ3000万点です…。キャスティングしてくれた人本当にありがとうございます。馬木也さんのグレコだけで元が取れる…。

あと、地味に原慎一郎さんに心を持っていかれています… 。アンサンブル的な立ち位置で、いろいろなシーンに出てくるんですけど、出すぎだろっていうくらい出ずっぱりで、原慎さんに目を持っていかれるせいで見逃した他の方の芝居がいっぱいあるはず…。

あ、ひとつだけ注意点が。二幕の最後のほうで、ものすごい勢いで光が明滅フラッシュする箇所があります。いわゆるポリゴンフラッシュってやつ。そういうのが苦手な体質の人は、かなり気をつけておいたほうがいいと思います。メタルなので大音量を心配する人が多いみたいですけど、気になるのは音より光です。

ざっくりまとめ

初日だったわけですが、カーテンコールが閉まってからダメ押しでもう一度開く、というのを(ステアラでは)はじめて観ましたね。一度目のカテコが終わる前から立ち上がっているお客さんもたくさんいて。もちろん、期待して詰めかけたファンが多い日なので、ファンならではのテンションということもあるのでしょうが、初日なのにまるで千穐楽かというくらいノリノリのカーテンコールでした。

でも、そのくらい衝撃がありましたね、メタマク初日。初日で4時間弱の上演時間、これからどう調整して、どんな味わいに仕上がっていくのか楽しみです。

まだまだ書き足りないけれども、ネタバレせずに書ける感想には限りがありますし、これで見納めるわけではないので、今回はこのへんでおしまい。

私の次回観劇は、4日後ーーー! 早くもう一度観たーーーい!!